軽量化は自動車業界にとり新規なアイディアではありません。実際、このコンセプトは70年近く議論されてきたことです。1953年に、繊維強化プラスチックの車体パネルを使用したChevy Corvette 300台が生産されました。*11年後の1964年、Kautexはフォード社向けに初のオールプラスチック製燃料タンクを生産し、軽量化革命に参加しました。以来、当社はお客様と協力して軽量化やパッケージングオプションの改善に務めてきました。
電気自動車 (EV) への転換により、軽量化の重要性は全く新たな次元へと移りました。電気自動車のパワートレイン総重量のうち、バッテリーパックの占める割合は約75%であり、パックと車両の重量比は20〜30%程度となるのが平均的です。このような高い比率は、これまで軽量化のために行ってきた努力を一気に裏切ることになります。
大型トラックの燃費がエコノミーサイズより悪いのと同じように、重いBEV車は航続距離が短く、より頻繁な充電が必要になったり、プラグインハイブリッドの場合、充電の合間に内燃機関で駆動することが多くなります。
Kautexの熱可塑性コンポジットまたはコンポジットとメタルのハイブリッドからなる新しいバッテリーエンクロージャは、自動車メーカーがこの「重い」テーマに取り組むのを助けます。従来のスチール製筐体に比べ、最大で60%の軽量化を実現しました。アルミニウムのハウジングと比較しても、Kautexソリューションは最大20%の軽量化を実現しています。
- 物流改善:バッテリーパックや筐体の軽量化により、積載量に達するまでにより多くのバッテリーをトラックに搭載することができ、社内物流にも貢献します。
- セル材除去による更なる軽量化・低コスト化:軽量化により、自動車メーカーはバッテリーのサイズを小さくすることができますが、その分、車の航続距離が短くなります。また、航続距離はそのままに、バッテリーパックからセル材を取り除き、パック全体の重量をさらに減らしてコストダウンを図る自動車メーカーもあります。
- 車両設計の最適化:バッテリーパックの重量を減らすことで、自動車メーカーはブレーキシステム、サスペンション、衝突構造を適合させることができます。
- 物流チェーンのサステナビリティ:積載量が少ないということは、燃料消費量やブレーキ、タイヤの摩耗が少なく、タイヤやブレーキの摩耗によって発生する微小粒子による大気汚染も少ないということです。実際、タイヤの微粒子に関する最近の研究では、「タイヤの摩耗は、使い捨てプラスチックに次ぐ海洋汚染の原因となっている...」ことが示されています。
- アクセル重量の軽量化:プラグインハイブリッド車は、重いバッテリーシステムを搭載しているため、すぐに最大アクセル重量に達してしまうという課題もあります。これを補うために、自動車メーカーはアクセルを補強したり、エンドユーザーのために積載量を減らしたりするために、コストのかかる開発プロセスを踏まなければなりません。Kautex側でバッテリーの筐体を減量しますので、自動車メーカーには、アクセル重量を最大化することなく、車両の他の部分の重量増も可能になります。
- 最終消費者の利点:バッテリーハウジングの軽量化は、最大積載量の増加や充電サイクル間の駆動時間の延長につながり、「走行距離不安症」を緩和することができます。
KautexのEVセグメント用軽量バッテリー筐体の詳細について、ご興味がおありですか? Eメール batterysystems@kautex.textron.com.
About Kautex
Kautexは、未来を切り拓きます。13カ国30拠点を持つ一流自動車部品サプライヤーとして、Kautexは、従来のハイブリッド式燃料システムや、運転支援自動運転システムのための先進クリーニングソリューション、エンジンカムシャフトおよびを工業用パッケージソリューションを設計、開発、製造しています。Kautexは、自動車用プラスチック燃料システムの設計・製造のパイオニアとして、スマート燃料システム、熱可塑性複合材および複合材メタルのハイブリッドバッテリーシステムをはじめとするスマート製品やデータ駆動型サービスをお客様に提供するべく、製品ポートフォリオの拡大に努めています。軽量バッテリーシステムからハイブリッドシステム、自動運転車両のクリーニングシステムに至るまで、Kautexは新モビリティの時代に向けた草分け的ソリューションを追求しています。
多岐にわたるスキルセットを活用し、サステナビリティを他社との差別化の指標とし、グローバルな多産業の一部であり、社員がダイナミックにキャリア形成できる多様性を包括しつつ、お客様の明確なニーズや潜在的ニーズの解決に全力を傾けるグローバルコミュニティ。社員はそんなコミュニティの一部として欠かせない存在です。私たちは一丸となって未来のモビリティの再考を行っています。
Contact details
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- Stephanie McClung
- Marketing Communications Specialist
- stephanie.mcclung@kautex.textron.com
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- Sara Monger
- Director of Global Communications
- sara.monger@kautex.textron.com
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